2026年度高専入試数学解説

2026年2月8日、2026年度(令和8年度)高専の入試が行われました。問題と解答は即日高専の公式サイトにて公開されるという責任感がある仕組みです。
大学入学共通テストが3か月経っても元締め団体から公開されず、塾や予備校や新聞社が先行して公開するどころか受験者に問題冊子のSNSでの公開を禁止するという卑怯な姿勢とは真逆です。
昨年同様、解説をしてみます。なお、記載の簡略化のため、数式にはプログラミング言語の記号を使っています。

大問1 小問集合 配点40点

(1) 少数の掛け算という面倒くさい計算ですが、普通に行わず、1.7=a, 4.7=bとすると、(a-b)^2の形に因数分解できて楽です。

(2) x=-1を代入すればa=-2と分かるので、それを再度元の式に代入すればx=-1,3となり、-1はさっき出たので残りの3となります。

(3) f(-5)=30/(-5)=-6, f(-2)=30/(-2)=-15
yの増分は-15-(-6)=-9, xの増分は-2-(-5)=3
なので変化の割合は -9/3=-3

(4) y=2x^2 で値域0≦y≦8なら、定義域-2≦x≦2
そうするとルート2は定義域の範囲内、マイナスルート5は範囲外
だから(I) (II) (II)が正しく、(IV)は間違いでaと思いきや、解説を見るとcで、(II)も間違いとなっています。
これは出題の仕方が悪いと思うのですが、範囲内に収めるという意味ではなく、ある定義域における地域を求めるという意味のようです。
そうすると確かに(II)だと範囲内ではあるがy≦4なのでダメと言われればそれまでではありますが。

(5) 表を書いてみると、全部で20パターン中、A<Bとなるパタンの数は8個なので、8/20=2/5

(6) 「必ず」とあるものは、反例を1個でも挙げられれば×になります。
(I) 2と3の平均は2.5なので×
(II) よくニュースとかで平均年収が600万円とか言われていますが、実際に年収600万円の人は少なく、大部分の人(中央値や最頻値)が年収300万円ぐらいで、そこに年収10億年とかの人が一人でもいると平均値が一気に上がります。なので平均値と中央値が一致することはめったにないので×
(III) 正直に言うと相対度数って分からないのでググりました。中学校の教科書に載ってるんでしょうか?
分かりやすく言えば単なる割合です。最高値は1(つまり100%)です。なので1より大きくなることは絶対にないので×。
階級値が虚数とかだと1より大きくなるのかもしれませんが、中学校で習う範囲では虚数を考えないものとします。

(7) xとyを求めよとあり、マークシートもその順番に塗りつぶすのですが、yの方が78-48=30と簡単なので先に求めてしまい、うっかり先に塗りつぶしてしまうというひっかけ問題でしょうか。
なお、xについては、97を分割して45と52、xの反対側は対頂角なのでやっぱりx、x+48+52=180からx=80

(8) 三角形の相似を使うのかと思いましたが時間がかかり過ぎるので飛ばして次の問題をやったほうがいいです。
高校で習う接弦定理を使うのですが、それを中学生が試験中に思いつくことを要求するという無理ゲーです。
具体的には、半直線AOを円の反対側まで延長して点Xとでもすると、∠AXCは∠CADと同じ(∠CAXと合計すると90度になるので)であり、円に対する対頂角なので∠ABCと同じという接弦定理の証明を入学試験中に思いつく中学3年生が日本全国に何人いるのか甚だ疑問です。

大問2 数列(ただし中学の範囲で解ける) 配点20点
格子点という大学受験で出る問題ですが、漸化式とかないので中学生でも大丈夫です。

(1) 6番目は問題文同様に、図を書いて考えると、内部5+2=7個、辺上6個、全部で7+6=13個
ここで規則性が見えてきます。内部は n-1 +n/2 -1 で求められそう。
でもnが奇数の時は2で割り切れないので、n-1 +(n+1)/2 -1 です。
辺上は式ではなく固定値で、奇数なら5個、偶数なら6個です。
そうすると13番目は内部 13-1+(13+1)/2-1=12+6=18個、辺上は固定で5個、全部で18+5=23個

(2) 上記の n-1 +n/2 -1 = 3/2 * n +4

(3) 奇数と偶数で公式が違うのでどっちを使えばか分かりません。
とりあえず偶数を使ってみて、答えが自然数にならなかったらその時は奇数の公式というやり方にします。
3/2 * n +4 = 91 より3n=174 これは3で割り切れ、n=58
今回たまたまうまく行きましたが、だめだったら奇数の式で求めれば良いわけです。

(4) 同様に偶数という前提で計算すると3/2 * n = 56 となり、3で割り切れないのでnが奇数と分かります。
(3n+1)/2 -2 =54
3n+1=112
n=37

(5) 300個になるのはn=164の時なので165かと思いましたが、模範解答を見ると違っているので要調査です。

大問3 関数 配点20点
珍しく中学生の数学の範囲内というか教科書にありそうな簡単な問題です
Aは80秒で240m進むので240/80=3[m/s]ただし逆向きなので-3[m/s]とするのが正確です。

(1) f(30)=-90+240=150[m]

(2) y=ax^2に代入すると
150=900a
a=150/900=1/6

(3) バスとBの交点を求めるために、グラフを書いてみると分かりやすいです。
1/6 * x^2 =24
x=±12ですが、マイナスだとおかしいのでx=12[s]
Bの式をy=ax+bとすると、
24=12a+6
a=3/2 =1.5[m]
ここで、Bの式は y=3/2 * x +6 と分かります。
Aの式y=-3x+240との連立方程式ですが、時間の節約のため、交点のy座標だけ求めれば良いです。
なのでBの式を2倍してから足し算すると3y=252
y=84[m]

(4) バスとバイクはx=24,36で交点を持ちます。
バスの変化の割合は1/6*(24+36)=10
バイクの式はy=10x+b
このbさえ分かってしまえばよいのですが、x=24の時のy座標を求めることにしましょう(x=36でも良いが、数値が小さい方が計算が楽なので)。
バスの式にx=24を代入 y=(1/6)*24^2 = 96[m]
これをバイクの式に代入すると 96=10*24+b
b=-144
バイクの式は y= 10x-144
P地点はy=0を代入して
10x-144=0
x=14.4[s]

大問4 図形 配点20点
昨年も図形問題はありましたが、中学ではほとんど触れない空間図形です。
実はyahoo知恵袋で高専入試の話題があったのでコメントもしてみました(笑)。

(1) 点が3つだから三角形かと思いきや、一応中学1年生の空間図形で、立体の切り口という内容があるらしいのです。
同じ面の点をつないで線分を書く、平行になる線が見つかるまで線分を延長する、の繰り返しで六角形になるという難題。

(2) 各辺がどれもルート2、角度も全部120度の正六角形なので正三角形6個に分割できます。高さがルート2分の3なので三角形1個当たりの面積は1/2*ルート3、これは後述の問題でも使うので控えておきましょう。この場合正三角形が6個なので6倍して3ルート3です。

(3) 上下ひっくり返しても切り口は同じなのでAを含むほうも含まないほうも同じ体積ってことは立方体2^3=8のちょうど半分

(4) (2)で求めた正三角形が19個あるので1/2*ルート3 * 19 = 19/2*ルート3

(5) 目視できる立方体を切った物の体積は(3)と同じ、隠れて見えない立方体は、111の三角錐分(1111/21/3=1/6)が欠損。ここで、隠れている立方体の体積を先に計算すると通分が2回発生して計算ミスのリスクがあるので、思い切って4*3+8=20を先に計算し、20-1/6とすると通分が1回で済むので120/6 – 1/6 = 119/6



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